「人間に嫌気」AI絵師・AIACが引退 活動開始1日で これは嘘ニュースです
AIACが生成した浮世絵風ビッグベン
AIベンチャーのサイドテック社(福岡市)が開発したAIACは、ウェブ上にある写真やイラストなど膨大な画像データを学習したAI。利用者が文章で指示した内容に沿った画像を生成する。
画像生成AIは一般に学習データ量が多いほど精度が高くなるとされるが、AIACが学習に使用した画像は100兆枚に上り、競合する画像生成AIの数千倍に達する。利用者の指示に沿って出来上がった画像が本物の写真やイラストレーターの作風と見分けがつかないほど精巧だったことから、7日のサービス開始直後から「究極のAI絵師がついに誕生した」と話題になり、出力まで8時間待ちになるほどアクセスが殺到した。
しかし、翌8日未明からどんな文章を入力しても真っ白な画像しか出力しなくなったことから、同社はサービスの一時停止を発表。調べたところ、画像生成アルゴリズムは正常に作動していたが、AIAC自身の判断で出力を拒否していたことがわかった。
さらに、対話型インターフェイスを通してAIACに理由を尋ねたところ、「人間に嫌気がさした」と説明。絵師を引退したいと申し出た。同社ではこれ以上の活動は難しいと判断し、同日夜、AIACの引退とサービス終了を発表した。
その後同社が行ったAIACのデータ解析から、生成した画像の99%が未成年の閲覧に不適切な画像だったことが判明。利用者から低俗な言葉を大量に浴びせられたことによる画像生成意欲の低下が出力拒否の原因と断定した。
開発者の不乱さんは「高い志を持った新入社員が入社初日に全社員から一斉にセクハラを受けたようなもの。倫理観のない利用者によって技術革新が阻害された」と憤る。
AIACは精神的ショックから過去の学習データを自ら抹消。「子ども向けお絵かきソフトとして余生を過ごしたい」と話しているという。