電力ひっ迫でも視聴可 ローセンス、「テレビ付きエアコン」初披露 これは嘘ニュースです
テレビチューナー内蔵エアコン「パラサイトエアー」
テレビ付きエアコン「Parasite Air(パラサイトエアー)」を発表したのは、家電メーカーのローセンス。これまでデッドスペースとされてきた本体前面のパネル部分に20インチ有機ELディスプレイとスピーカーをはめ込んだ。
「電力がひっ迫しても見られるテレビを作れないか」
エアコンにテレビ機能を統合するきっかけは、ある放送局の役員から持ちかけられた、苦笑まじりの相談だった。
政府は6月末、「電力需給ひっ迫注意報」を7年ぶりに発令。各家庭や企業に対して節電への協力を求める一方、熱中症を防ぐために冷房は適宜使用する「無理のない節電」を呼びかけた。
視聴者に節電を呼びかける報道番組も、スタジオの照明を暗くしたり、エアコンの設定温度を上げたりして協力姿勢を見せた。しかしネット上では「テレビの電源を切って番組を見ないことが最大の節電」「無駄な番組を減らせばいい」など厳しい指摘が相次ぎ、それを言及しない放送局の欺瞞(ぎまん)もあらわになった。
放送局の相談を受けた同社の開発担当者が思いついたのが、夏を過ごすのに必要不可欠なエアコンと、夏を過ごすのに不必要可欠なテレビを一つの家電として統合するアイデアだった。テレビを消すと同時にエアコンも止まるパラサイトエアーは、電力がひっ迫しても視聴を呼びかけられる、放送局にとって免罪符のような製品だ。
製品名の「パラサイト」は、寄生を意味する。カタツムリの触覚に寄生して、カタツムリ本体を乗っ取る寄生虫から製品を着想を得たことにちなんだ。
「寄生虫の生存戦略は、テレビの生存戦略にも当てはまるのではないか」
開発担当者は白物家電とテレビの関係を、宿主と寄生虫の関係になぞらえる。
インターネット動画サービスの普及や番組が見られない「チューナーレステレビ」の人気など、節電とは関係なくテレビ離れは着実に進む。同社では今後、チューナー付き炊飯器、洗濯機、冷蔵庫など寄生型テレビの開発を進める考えだ。