Kyoko Shimbun 2018.09.10 News

大仏造立一時休止 相次ぐ災害、供給困難に 行基工務店 これは嘘ニュースです

大仏の造立が各地で続く
 大仏造立を請け負う行基工務店(本社・奈良市)は9日、大仏の造立を一時休止すると発表した。相次ぐ災害で造立が追い付かず、十分な数が供給できないと判断した。新規受注も当面見合わせる。

 大仏造立を専門に扱う同社では、奈良時代の創業以来、大仏鋳造を多く請け負ってきた。2010年、3Dプリンターを使った大仏プレハブ工法を開発し、工期の大幅短縮に成功。「奈良の大仏」として知られる奈良県奈良市の東大寺盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)は完成まで5年、延べ260万人、総工費約4千億円程度かかったとされているが、プレハブ工法の開発で完成まで8カ月、延べ50人、2千万円程度で造立できるようになった。

 同社によると、6月に発生した大阪府北部地震をきっかけに、国家安寧を願った大仏造立の受注件数が増加。その後も西日本豪雨、夏の記録的酷暑、巨大台風、北海道地震など自然災害が頻発した結果、注文が殺到。これ以上は供給が間に合わないと判断し、年内いっぱいの造立中止を決めた。現在全国472カ所で造立中の大仏も、十分な態勢が整うまで見合わせる。

 一時休止を決めた理由について、同社広報は「近年例を見ない頻度の巨大災害で注文が殺到した結果、現場では作業員が猛暑で倒れたり、熱で柔らかくなって落下した螺髪(らほつ)に当たったりするなど労働災害も起きていた。安全確保に関するコンプライアンス(律令順守)が緩かった奈良時代とは違い、平成の世ではこれ以上造立を続けられないと判断した」と説明する。「災害が起きるたびにネット上で言われる『大仏を作れ』という声によって、造立がある種のブームとして無責任に煽られた側面もある」と苦言も。

 6月以降、同社が開眼まで済ませた大仏は全国で3719尊。「作っただけで満足せず、今後の安寧を祈ってほしい」と広報担当者は合掌する。

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