Kyoko Shimbun 2017.02.06 News

「ゆとり」からかわれ発奮 米専用洗剤を開発 これは嘘ニュースです

泡立ちよく炊き上がったご飯
 全国有数の米どころとして知られる新潟県の男性が、洗米専用合成洗剤の開発に成功した。開発にかかった期間は11年。豊かな泡立ちで米表面の頑固な汚れをしっかり落とせるという。

 洗米専用洗剤「ウタカタ石けん」は、新開発の洗浄成分が米表面の小さなごみやぬかを浮かせる働きをする。これまでは研ぎ汁が透明になるまで何度も水を変えなければならなかったが、ウタカタ石けんを使えばたった1回のすすぎで完全な汚れ落としが可能だ。

 開発したのは新潟県蔵王堂町に住む森須優斗さん(28)。11年の歳月をかけて個人で開発した。開発のきっかけは高校生の頃、アルバイト先の居酒屋で「米を洗う」と口に出したところ、店長から「『洗う』ではなく『研ぐ』。これだからゆとり世代は」とからかわれたことだった。

 納得のいかない森須さんは過去の文献に「昔の日本人はひえやあわを食べていた」という記述を見つけた。洗剤を使って食べていた証拠だ。

 米を洗う洗剤を作る――。インターネットなどを参考に、洗米に適した国内外の台所用洗剤数百種類を試してみたが、どれも米の汚れは落ちるものの、炊き上がり後どうしても独特の薬品臭が残ってしまった。そこで薬品臭を上回るさらに強い香料を付加する方向で、ミントやラベンダーなどさまざまな合成香料を加えてみたが、いずれも上手くいかなかった。

 開発に取りかかってから10年目を迎えた16年11月。最終的にたどり着いたのは、米の香りがする人工香料を混ぜることだった。

 ウタカタ石けんで洗浄したご飯を振る舞ってもらった。「炊き上がりなう」のツイートとともに炊き上がったスマート炊飯器から、鮮やかな虹色の膜が張った白い泡が湯気とともに勢いよく吹き上がり、その下にあるご飯をすっかり覆い隠していた。

 「何でもかんでもゆとりに結びつけて語るやつらに一泡吹かせてやりたかったんですよ」

 炊き立てのご飯を食べる森須さんの泡だらけの口元からは大きな達成感と自信が感じられた。

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