リッピングは「違法開錠」? 議員8割、ずさんな知識 これは嘘ニュースです
衆議院に続き、参議院でも賛成多数で可決した。
本紙では改正著作権法が参院で可決された20日、衆参両院の国会議員722人に対し、FAXで緊急アンケートを行った。有効回答数は633人(87・7%)だった。
アンケートでは、まず今回の改正著作権法への賛否を確認。633人中629人が賛成票を投じていた。
続けて今回の改正案について、基本的な知識を問う質問を行った。質問内容は以下の通り。
(1)今回の法案で複製の対応が分かれた、CD、DVD、Blu-rayの違いを教えてください。
(2)今回私的複製としても禁止された「リッピング」について教えてください。
(3)動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」などで用いられている「キャッシュ化」について教えてください。
寄せられた回答のうち、(1)ディスクメディアの違いについて正しく答えられたのは230人(36・4%)。誤答のほとんどは「分からない」「無回答」だったが、中には「違いはない」(自民党・60代男性)という質問の意図を完全に無視した強引な回答もあった。
(2)「リッピング」については正答者36人(5・7%)と、大幅に激減。(1)と異なり、誤答に「分からない」「無回答」がほとんどなかった反面、衆参・与野党問わず522人(82・5%)が、リッピングを「特殊な器具を用いて鍵を使わずドアを開けること」(民主党・50代女性ほか)、「サムターン回し、カム送りなど」(共産党・50代男性)と回答しており、開錠技術である「ピッキング」との区別がついていないことが分かった。
ただし、この点については、誤答のパターンが極端にピッキングに偏っていることから、議員に改正法案を説明する際、官僚側が意図的に誤った情報を流したのではないか、との疑いもある。サイバー犯罪を担当する、ある警察庁幹部は「『ダブルクリック』も知らない老齢の議員に一から用語を教えていては、4年の任期内では到底間に合わない。寿命でも間に合わない」と話している。
(3)「キャッシュ化」を正しく答えられた議員は0人(0.0%)。誤答は全て「株券や不動産やゴルフクラブ会員権を現金化すること」(民主党・70代・O沢議員ほか)としており、国会議員らしく資産運用に長けた知識を見せた。
著作権法に詳しい京都大学法学部の坂本義太夫教授(Winny論)は、今回の調査結果について「どうせそんなことだろうと思っていたので驚きはない」としつつ、「法案成立間際、音楽業界が自民・公明に吹聴して違法ダウンロードへの刑事罰導入をねじ込んだと言われているが、多くの識者が指摘するように、違法ダウンロード撲滅は業界の活性化につながらない。良い音楽なら売れる。つまらない音楽でも握手券をつければ売れる」として、改正案に対し批判的な見解を示した。