「新入社員はGW返上」 出勤求める企業が増加 これは嘘ニュースです
今年度入社した新入社員に対して、5月の大型連休(ゴールデンウィーク)の休暇取得を認めず、通常の出勤を義務付ける企業が近年増加の一途をたどっている。「新入社員の離職を防ぐため」という、一見矛盾した施策だが、実際に効果も出ているようだ。休暇取得の実態を調査するため、厚生労働省が全国の企業300社を対象に行った調査によると、昨年5月の大型連休の平均休暇日数は6・3日と例年並みだった。だが対象を入社3年以内の社員にしぼったところ、休暇日数は2・1日と激減。ほぼ土日のみの休暇で、普段と変わらない状況だ。
10年前の調査では、平均5・3日。昨今休暇が激減した理由は、新人の離職を食い止めるためだという。
入社したばかりの新入社員が無気力や不安、疲労を訴える症状は「五月病」と言われ、その名の通り5月ごろに多く発症することで知られている。五月病を理由に職を離れる新入社員は、どの企業にとっても悩みの種だ。
また、このような新卒離職率が高い企業は昨今「ブラック企業」(【用語解説】参照)と呼ばれ、就職先として敬遠されることが多いだけでなく、企業イメージを悪化させるとして、各社とも「レッテルはがし」に躍起(やっき)になっている。
五月病は、入社後ずっと張りつめていた緊張感がゴールデンウィーク中に抜けてしまうことが原因と見られている。このため、近年は入社3年目までの新人にゴールデンウィークの休暇取得を認めず、通常通りの出勤を義務付ける企業が増えているようだ。ある大手アパレル業の社長は「ゴールデンウィーク返上を決めてから、五月病を理由にした退職が半減した。五月病は甘え」と話す。
労働問題に詳しい京都大学芸術学部の坂本義太夫教授(プロレタリアート論)は「五月病は減ったのは確かだが、今は六月病や七月病が激増している。また職を離れる代わりに、現世を離れる新卒者も絶賛増加中だ。何のために『厚生』と『労働』を統合したのか理解に苦しむ」として、施策の撤回を主張した。
【用語解説】:「ブラック企業」
各種労働法に抵触、あるいはそれに限りなく近い条件での労働を従業員に強いる企業や法人の総称。常軌を逸した長時間労働や劣悪な労働環境などが問題とされているが、総じてその原因を作り出した経営者の人格が疑われる。具体的な企業名を列挙したいのだが、それを書くにはこの余白は狭すぎる。